第158章

すぐに、佐藤凛は彼女を駅まで連れて行った。

駅は人で溢れかえり、あちこちに人だかりができていた。佐藤凛はこれほど多くの人を見て、ほっと胸をなでおろした。

これだけの人の中から山田澪を見つけることは、まさに大海の中から針を探すようなもの。北村健が山田澪を見つけることはもう心配していなかった。

「澪ちゃん、韓城で会おうね。一人で電車に乗るとき気をつけてね。何かあったら必ず電話してくれる?」

山田澪はうなずき、手話で伝えた。わかった、凛も気をつけて。

「うん、じゃあ先に行くね」佐藤凛もこれ以上時間を無駄にする余裕はなかった。遅れれば北村健に見つかってしまうかもしれない。

結局、電車を降...

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