第24章

田中部長も馬鹿ではない。佐藤凛が夏目彩を知っていて、さらに北村社長とも面識があるということは、彼女の身分もかなり高いのだろう。五億円なら本当に用意できるかもしれない。

佐藤凛も山田澪を座らせ、足を組んで言った。「あなたたちで相談してください。五億円で足りなければ、もっと出しますから」

田中部長は初めて、金を差し出す人のせいで頭が痛くなった。

夏目彩も言った。「いいわよ。彼女がいくら出すなら私もそれだけ出すわ。まるでお金持ちはあなただけみたいな言い方ね」

佐藤凛は軽蔑的な目で彼女を見た。「あなたにお金があるって?そのお金、本当にあなたのものなの?」

「あなたのお金だって、本当にあなた...

ログインして続きを読む