第39章

山田澪はしばらく叩き続けたが、力尽きて床に滑り込んだ。狭くて窮屈な物置部屋は真っ暗だった。

あまりにも静かで、まるで空気さえも静まり返っているかのようだった。

山田澪の上に覆いかぶさる暗闇は、無数の糸のように彼女を絡め取り、息が詰まるほどだった。

彼女は冷たい床にしゃがみ込み、膝を抱きしめた。

部屋の中で唯一聞こえる音は、彼女の呼吸と心臓の鼓動だけだった。

北村健は彼女に反省を促したが、彼女は何を反省すべきか分からなかった。レストランで五時間も一人で待っていたことか、それとも福江お婆さんを家まで送ったことか。

彼女は自分が何を間違えたのか分からなかった。

山田澪はポケットを探り...

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