第87章

突然、大きな泣き声が響き渡り、全員が一斉にその方向を見た。

颯真は顔を覆い、地面に屈んで泣き崩れていた。一方、北村健はまだ冷静におもちゃの銃を弄んでいた。

彼は冷ややかな表情で、まるで颯真が泣いているのが見えていないかのよう。関心はすべて手の中のおもちゃの銃に向けられ、颯真を銃で泣かせたのは自分だと言わんばかりだった。

山田澪はその様子を見て、思わず袖をぎゅっと握りしめ、鼓動が速くなった。

北村瑠璃と北村悠真が真っ先に駆け寄り、北村瑠璃は颯真を抱き上げ、慌てて颯真の顔の怪我を確認した。

「颯真、どうしたの?」

颯真は息も絶え絶えに泣いていた。目尻が真っ赤になっていたが、幼いため肌...

ログインして続きを読む