第百十八章

声を出せない悠は、少し恨めしそうな目で千枝を見つめると、彼女を抱き上げ、自分の腰に両脚を絡ませた。

千枝は彼をキッと睨みつけ、コホンと咳払いをした。

「お母さん、大丈夫。ちょっとお水飲んでただけだから」

言い終わるか終わらないかのうちに、手のひらをペロリと舐められた。

悠が挑発するように眉を上げると、千枝は慌てて手を引っ込めた。だが次の瞬間、唇を塞がれていた。

悠の舌が遠慮なく入り込み、息継ぎの隙すら与えてくれない。

「千枝、本当に大丈夫? 怖くない? お母さん、一緒に寝ようか?」

奈央はまだドアの外にいる。

千枝は緊張と、それに相反する背徳感で、すっかり呼吸が荒くなっていた...

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