第百二十章

悠も少し違和感を覚えたようだが、深くは追及せず、千枝の両親を丁寧に見送った。

車が走り去るのを見届けて、千枝はこっそりと安堵の息を漏らした。

両親が荷物を持参していたのは明らかで、数日間滞在するつもりだったのだろう。

しかし悠がここにいるため、気を使って帰ってしまったのだ。

それにしても、なぜ両親は悠をあれほど信用しているのだろう。ハッキュウ宝飾のディレクターだからか。

それとも、単に顔がいいからだろうか。

両親は揃ってデザイナーであり、美しいものをこよなく愛している。千枝自身も最初は彼のルックスに惹かれたのだから、後者の可能性が高い気がした。

「何見てるの」

悠が振り返って...

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