第26章

午前中ずっと、千枝は悠が自分と距離を置こうとしているように感じていた。

悠は朝にコーヒーを一杯飲んだだけで、あとはずっと白湯を飲んでいる。

千枝も『九条社長の取扱説明書』に忠実に従い、四十分が経過して白湯が少し冷めるたびに、新しいものと交換しに社長室へ入っていた。

ここ二日間はそれで何の問題もなかったのに、今日になって突然、悠から「もう交換しなくていい」と言われてしまったのだ。

その時、彼がこちらを見向きもしなかったことを思い出すと、千枝の胸の奥に何とも言えないモヤモヤとした感情が広がった。

つまり悠は、下心を持って媚びを売るなと警告しているのだろうか。

千枝は少し落ち込みながら...

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