第33章

千枝の言葉に、拓洋でさえ一瞬呆然とした。

さっき数人で入ってきたとき、確かに薬を飲んだばかりだったが、ほんの数秒の出来事をこの小娘は覚えていたというのか?

和也はひどく気まずそうにしながらも、まだ食い下がろうとした。

「私も親睦を深めたいと思いまして。このワイン、一本百万もするんですから、きっと……」

「ワインである以上、アルコールが含まれています。心血管疾患の治療薬との併用は厳禁です」

千枝は和也の言葉をぴしゃりと遮り、ウェイターに視線を向けた。

「先ほどお願いしたプーアル茶と、昆布とスペアリブのスープはまだですか?」

ウェイターはすぐさま答えた。

「ただいまお持ちします。...

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