第42章

幸い、悠は彼女を家の玄関まで送り届けただけで、中には入ってこなかった。

千枝は家に入るとホッと息を吐き、また腕に少し痛みを感じた。

今日、トイレに閉じ込められたことを思い出すと、やるせない気持ちになる。

学生時代、誰かに目をつけられることなんて一度もなかったのに。働き始めた途端、こんなにも嫌がらせを受けるなんて思いもしなかった。

単なる仕事上の嫌がらせならまだしも、どれもこれも露骨な嫌がらせばかりだ。

一番腹立たしいのは、トイレには監視カメラがないことだ。彼女が何を言っても信じてもらえるとは限らず、結局は泣き寝入りするしかない。

三ヶ月後には会社を去ることになるかもしれないと思う...

ログインして続きを読む