第106章 まだボディーガードが必要ですか

「角を曲がって最初の部屋だ。泊まれる」

原田渉は頷き、原田麻友に背を向けた。二歩ほど歩いてから、ようやく口を開いた。

「麻友、家族の考えは俺には変えられない。だが、兄ちゃんはお前の味方だ」

言い終えると、彼は去っていった。

原田麻友は原田渉の後ろ姿を見つめ、その瞳を揺らめかせた。

原田渉が今夜ここへ来て、しかも泊まることを選んだのは、彼の態度を表明しているに他ならない。

原田麻友は部屋のドアを閉め、その眼差しを冷たくした。

原田麻友『システム、どうして原田渉は正気に戻ってから、二度と惑わされていないの? それなのに、原田美紀子夫妻はまだ惑わされ続けているのはなぜ』

原田日菜は...

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