第242章 日菜は正しかった

「渉さん、麻友さん」

使用人の声に、それまで賑やかだったリビングは途端に静まり返った。

全員の視線が一斉にこちらへ注がれる。

真っ先に立ち上がったのは原田日菜だった。嬉しそうに声を弾ませる。

「お兄様、お帰りなさい! 早く翼を叱ってよ。前に私の誕生日に帰ってくるって言ってたのに、誕生日が何日も過ぎてからやっと帰ってくるんだから。ふん!」

「全然私のこと、大事に思ってないんだもん」

甘えてみせた後、原田日菜は原田麻友の腕に親しげに絡みついた。「麻友、こっち来て。藤原翼、私の婚約者よ。翼兄さんって呼んでも、翼って呼んでもいいわ」

「藤原翼、こちらは原田麻友、私の妹です」

藤原翼は...

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