第29章 小児の遺骨

「麻友さん、あんたはやっぱり天下一だ!」

中川裕大は、もはや地面にひれ伏さんばかりの勢いで原田麻友を崇拝していた。

しかし当の原田麻友は、高く荘厳な三清像を指差し、彼ら親子に告げた。「それを叩き壊して!」

地面で虫の息だった伊藤颯馬は、彼女の言葉を聞き、苦痛に喘ぎながら制止しようとする。「よくも……! 私の……に手を出すつもりか……」

彼が言い終わる前に、ガチャンという音が響いた。

中川裕大が石を手に供物台に飛び乗り、いとも簡単に石像に穴を開けたのだ。

「うわ! 意外とあっさり壊れたな」

この石像は重厚で威厳があったため、破壊するのは相当難しいだろうと思っていた。

ところが、...

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