第61章 赤陽道長

夕食を終えると、原田美紀子は燕の巣のスープを手に、原田日菜をなだめに行った。

原田麻友が寝室に戻ると、中川菜々美がぷりぷりと怒りながら彼女の周りを飛び回った。「あの原田日菜って子は悪い人よ」

原田麻友は軽く笑い、ベランダに出て胡座をかいた。

昨日の配信の後、自分の修為が少し上がっていることに気づいていた。

「どうしてそう思うの?」

「悪い人に決まってるわ」中川菜々美は原田麻友の目の前にふわりと浮かび、目を閉じて穏やかな表情を浮かべる彼女を見つめた。「お姉ちゃんは腹が立たないの?」

原田麻友は言った。「腹は立たない」

彼女は目を開けると、すぐ目の前にいる中川菜々美を見つめた。「あ...

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