第62章 空っぽ

全員の視線が、原田麻友に注がれた。

原田日菜は得意げに原田麻友を見たが、当の本人は平然とした顔で、少しも怖がっている様子がない。

彼女は落ち着き払って言った。「確かに家で二つの魂を匿っています。でも、彼らは邪なものではありません」

「なんですって! 麻友、どうしてそんなことを!」原田日菜が大声で叫んだ。「どうしてあんな汚いものを家で飼えるの? ああいう汚いものは生きてる人間に影響があるって聞いたわ」

そう言うと、彼女の目にはみるみる涙が溜まっていく。「お父様やお母様の身体に影響があったらどうするの?」

赤陽も頷いて口を挟む。「確かに、これらの邪なものは陰の気が強すぎ、生者...

ログインして続きを読む