第81章 俗にママっ子と呼ばれる

今夜の帝京は、眠れぬ夜となることが運命づけられていた。

ライブ配信ひとつで帝京の上流階級全体を震撼させた張本人の原田麻友は、逆にぐっすりと眠っていた。

朝起きると、ベランダで座禅を組んで修行した後、原田麻友は身軽で清潔な服に着替え、上の階のレストランへ朝食に向かった。

彼女が姿を現すやいなや、無数の視線が注がれた。

しかし彼女は意に介さず朝食を取り、ぐるりと店内を見渡した。

「麻友さん、こっちだ」中川裕大が手を振りながら叫んだ。

原田麻友はトレーを持ってそちらへ歩いていく。中川裕大は甲斐甲斐しく椅子を引き、他に食べたいものはないかと尋ねた。

「ない」

中川裕大は昨日、帝京のセ...

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