第86章 死体の真相

二日後、田村家の催促もあり、警察はこの事件を迅速に解決した。

警察署から戻った田村亮太は、分厚い書類の束を手にしていた。

その沈鬱な表情を見て、田村悠衣が焦って尋ねる。

「どうだった? 犯人はわかったの?」

田村亮太は頷いた。同じくリビングにいる原田麻友と中川裕大に視線を送り、しばし躊躇った後、口を開いた。

「岩崎博斗が紹介してきた、協力パートナーの木下凌太だ」

中川裕大が原田麻友の耳元で囁く。「岩崎博斗は田村さんの隠し子で、田村玲央より一つ年下なんだ」

これは名家のゴシップで、中川裕大はとっくに帝京の御曹司たちから聞いていた。

田村亮太はため息をついた。

「...

ログインして続きを読む