第7章

浅野安樹は父を見つめた。その顔には困惑、怒り、そして嫌悪が次々と浮かんでいく。

「親父……一体どういうことだよ?」

「安樹、お前が考えているようなことでは――」

「その通りだよ!」

浅野安樹の声は上ずった。

「母さんを裏切ってんのか?家政婦と?」

「お前の母さんとは……もう何年も前から問題を抱えていて――」

「だからって、家政婦と寝て解決するつもりだったのかよ?」

浅野安樹の世界は崩壊しつつあった。結婚式の日のヒーローだったはずが、二時間もしないうちに父親の不貞を発見してしまったのだ。そして、それがどう白鳥日菜に繋がるのか、どう私に繋がるのか、なぜ今日という一日がこうも...

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