第11章
俺は本田安奈が背負っている薬箱に目をやり、尋ねた。
「その中に胃腸薬はあるか?」
本田安奈は首を横に振り、薬箱に胃の薬はないと示した。
「おじさん、ここで長くは留まれません。三船亜由美さんたちが待っています」
本田安奈は痛みを必死に堪えながら、その瞳に不屈の光を宿らせて言った。
俺は深呼吸を一つして、決断を下した。
「本田安奈、お前はここで少し休んでいろ。俺は高台へ行って水源を探してくる」
しかし、俺の言葉が終わるか終わらないかのうちに、本田安奈は俺の手首を強く掴み、きっぱりと言った。
「いえ、一緒に行きます。絶対に離れてはいけません」
彼女の眼差しには、拒むことのできない...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章

4. 第4章

5. 第5章

6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章

12. 第12章

13. 第13章

14. 第14章

15. 第15章

16. 第16章


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