第236章

俺は伊藤聡平に視線を向け、少しばかりの疑問を口にした。

「原始人島はこんなに広いのに、どうしてここしか開拓してないんだ? 他の場所じゃ作物は育たないのか?」

 伊藤聡平が説明する。

「他にも栽培できる場所はある。この島には、あと二ヶ所ほど棚田に適した土地があるんだ。だが、夜神様がかつて我々にこう教え諭してくださった。『山林を過度に破壊してはならない。さもなくば災いを招く』とな」

 俺はさらに問いかけた。

「それじゃあ、あんたたちの食料は主にこの農地頼みってわけか?」

「農作物の他にも、巡回隊には狩猟採集の任務がある」伊藤聡平は答えた。「彼らは海の恵みを持ち帰ってくれるし、周辺の島...

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