第263章

黒田輝は化け物を見るような目で俺を見つめ、こう言った。

「海老原和生、お前寒くないのか? 俺はもう限界だ。焚き火がなきゃ、今夜ここで凍え死んじまうよ」

 ちょうどその時、銀髪とその仲間が薪を抱えて戻ってきた。

 赤毛も枯れ草を集めてきて、再び焚き火に火を点ける。

 岩の隙間の温度が徐々に上がり、黒田輝はほっと息をついた。張り詰めていた表情もようやく和らぐ。

 揺らめく火光に照らされ、みんなの顔色も次第に赤みを取り戻していった。

 銀髪がまた薪を探しに出ようとした際、赤毛と何か言葉を交わした。

 それを聞いた赤毛の顔に、喜びの色が浮かぶ。

 彼は俺に目配せし、外を指差して「一緒...

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