第273章

俺は彼女の肩をポンと叩き、励ますように言った。

「安心しろ。なんとかなるさ」

本田安奈は深く息を吸い込むと、俺の目をじっと見つめ、真剣な面持ちで念を押した。

「おじさん、気をつけてね」

俺は小さく頷いて立ち上がると、懐から二つの得物を取り出した。一本のナイフと、鋭利な短剣だ。

腰を低く落とし、山の斜面に沿って慎重に砂浜へと降りていく。

砂浜に足をつけると、足音を殺して素早くキャンプ地へと忍び寄った。

キャンプ地の間近まで迫ったところで、二人の人影が中に入り、何やら調査を行っているのを目撃する。

俺は迅速に距離を詰め、柵の外にある物陰に身を隠した。

かすかに話し声が漏れ聞こえ...

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