第333章

「瑠璃、わざわざ二人して危険を冒して奥まで入る必要はない。おれが二時間経っても戻らなかったら、その時はここを離れろ」

瑠璃は黙っておれを見つめた。瞳の奥には深い心配が宿っているのに、一言も発しない。

おれは大きく息を吸い込むと、それ以上余計なことは言わず、くるりと背を向けて目前の未知の暗闇へと足を踏み入れた。

四方から押し寄せる闇が、あっという間におれの全身を呑み込んでいく。しばらくして目が慣れてくると、ぼんやりと周囲の輪郭が浮かび上がった。

天然の鍾乳洞だ。足元には、前に伊藤創が爆薬で吹き飛ばした鍾乳石の破片が、そこかしこに散らばっている。

洞窟の奥へ進めば進むほど、空間は広がっ...

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