第337章

その光景を眺めながら、俺は本田安奈に声をかけた。

「どうやらシロは、あんたのことをすっかり気に入って信用してるみたいだな」

本田安奈は少し不安げに尋ねてくる。

「海老原和生、この子、頭の上で寝ちゃったけど……落ちたりしないかしら?」

俺は笑って答えた。

「安心しろ。完全に熟睡モードに入ってるから、落ちることはないさ」

シロを下ろそうと手を伸ばすと、本田安奈はすっと身を引いた。彼女は微笑んでこう言った。

「このまま、静かに寝かせてあげて」

俺は頷いた。

それから、本田安奈に支えられながら石の上をゆっくりと歩いた。彼女は俺が昏睡していた間の出来事を、一つひとつ丁寧に話してくれた...

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