第347章

朝日が昇るにつれ、竹林は黄金色の光に満たされていく。

 俺が目を開けると、竹の下に佇む鮮やかな人影が視界に入った。本田安奈だ。素朴だが上品なロングスカートを纏い、緑の竹林の中で一際目を引く存在感を放っている。

 俺は竹から飛び降り、彼女の真ん前へと音もなく着地した。

「安奈、今日は随分と早いな。もう少し寝てなくてよかったのか?」

 俺がそう問いかけると、安奈は伏し目がちに左手で手首を優しく撫でながら、静かに口を開いた。

「……少し、あなたと話がしたくて。昨日の夜、ずっと考えていたの。どうしても、あなたに直接伝えておかなければならないと思って」

 彼女の瞳を見つめ返す。その深刻な様...

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