第366章

俺はのんきそうな伊藤太陽を眺めながら、一抹の不安を覚えていた。

原始人島で、太陽のように楽観的な考えを持つ者が少数派であることを祈るしかない。

伊藤拓巳と伊藤創が、多大な犠牲を払ってまで巨大ニシキヘビの王を仕留め、その珠を奪ったのだ。その裏に何もないはずがない。

原始人島の平穏な水面下には、とてつもない陰謀が潜んでいるに違いない。

しかもその陰謀は秘密裏に進行しており、原始人族の族長や長老、そして上層部さえも気付いていないようだ。

会話の中で、太陽は二つの名を口にした。伊藤恭平と伊藤晴樹だ。

伊藤恭平については知っている。儀式の場で伊藤陸斗を取り押さえた男だ。

晴樹の方は、もう...

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