第379章

俺は振り返り、背後の群衆に視線を走らせた。

黒田輝の悲鳴を聞いて、絡んでこようとしていた原始人たちの動きが止まっている。

瑠璃が足を止め、こちらを振り返った。

「どうしたの?」

俺は笑みを浮かべ、瑠璃に何でもないという風に答える。

「いや、黒田輝が喉を痒がっててな。ちょっと咳払いをしただけさ」

瑠璃は黒田輝を一瞥すると、明らかに疑わしげな表情を見せたが、それ以上追求することなく歩き出した。

俺は黒田輝の脇腹を小突き、促す。

「いいか、ここでは瑠璃は助けてくれないぞ。あの原始人どもに囲まれたら終わりだ」

黒田輝は周囲を見渡し、ゴクリと唾を飲み込むと、覚悟を決めたように背筋を伸...

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