第386章

伊藤陸斗は頭をかきながら、少し考え込むような顔で言った。

「人道的な配慮ってやつだよ。どうしてもこの目で見たくないって言うなら、一時的に眠らせてやることもできる。全部終わってから起こしてやる」

おれはじっと伊藤陸斗を見据え、疑わしげに口を開いた。

「おまえの口から『配慮』なんて言葉が出てくるとはな」

「当然だろ」

伊藤陸斗はあっさりと返す。

「小松博や河野由貴から、おまえたちの歴史についてはひと通り聞かせてもらった。それに、俺たち原始人族がずっと崇めてきた神――あれが偽物だってこともな。前から薄々勘づいてはいたが、河野由貴の話で確信に変わった」

胸の奥がひやりと冷たくなり、おれ...

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