第399章

「海老原和生、これを飲んでみたまえ」

老いた猿の声が響く。

「ジャコウネココーヒーだ。ジャワ島を旅していた時に見つけた逸品だよ。美味なるものは、得てして貪欲と偶然から生まれる……まったく、その通りだな」

俺は目の前のコーヒーを手に取り、軽く一口啜ると、老いた猿に視線を向けて尋ねた。

「今の言葉は誰の格言だ? 聞いたことがないが」

老いた猿は笑って答える。

「当然だろう。私が言ったのだからな」

その言葉を聞いて、俺は一瞬、言葉に詰まった。

老いた猿はその深遠な瞳で俺を見据え、落ち着いた声で問いかけた。

「して、私を訪ねてきた用件はなんだ?」

俺は少し居心地の悪さを感じながら...

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