第432章

速度を落として曲がり角を抜けた瞬間、すでに隙間が開いていて、瑠璃と伊藤孝介がおれを待ち構えていた。

ふたりはライフルを構え、引き金を絞る。銃口から弾丸がほとばしり、おれの背後から迫るゾンビに向かって容赦なくばらまかれた。

おれに障害物の隙間を乗り越える時間を稼ぐため──それだけじゃない。走るのが速いゾンビどもの勢いを、少しでも殺すためでもある。

障害物まであとわずか、という刹那。おれは手にしていたナイフを放り捨て、箱を胸に抱え込むと、そのまま躊躇なく跳び込んだ。身体を丸めて、開いた隙間を一気に飛び越える。

地面に転がり落ち、そのままごろりと一回転。立ち止まることなく、前へ前へと駆け出...

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