第457章

 彼女の背中が視界の端から完全に消えるまで、じっと見送っていた。

 胸のどこかで、河野由貴はきっと後悔している――そんな気がしてならない。心の底では、本当はおれと一緒に戻りたいと願っていたはずだ、と。

 けれど、彼女がどう思おうと、連れて帰るつもりはない。

 おれはおれ自身のために、本田安奈のために、そしてここにいる全員のために、責任を負わなきゃならない。

 大きく息を吸い込み、港のほうへと歩き出す。

 桟橋に着き、いつもの木の船のそばに向かった。

 ティックが操る機械鳥が、ふわりと舞い降りてくる。金属の羽根が小さく鳴り、その嘴が開いた。

「海老原和生、出発の準備はいいか」

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