第498章

通路の突き当たりまで来ると、赤い水晶で編まれたカーテンが視界に広がった。

その帷をくぐると、中はひとつの部屋になっていて、濃い薬草の匂いがむわっと漂ってくる。

澤口奈津美の声が、かすかに聞こえた。

「海老原和生、入ってきて」

そのあと、あの二人の案内役は踵を返して去っていった。

おれは水晶のカーテンをめくり、部屋の中へと足を踏み入れる。途端に、さっきよりもさらに強い薬草の匂いが鼻を突いた。

ベッドの上に澤口奈津美が胡座をかいて座り、顔色の悪いまま一椀の薬を両手で支えている。

傷は相当深そうで、その容体におれは少し驚かされた。

「奈津美さん、いったいどうしたんですか」

恭しく...

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