第5章

四人の女性はみな頷き、それぞれの持ち場についた。

夜の帳が下り、波が救命ボートを軽く叩き、不安を誘う揺れをもたらす。

俺は釣り道具を手に取り、心の中で祈りを捧げた。

説明書に従い、釣り竿を丁寧に組み立てていく。どんな些細な部分も見逃すわけにはいかない。

餌が水面を割り、俺は浮きを睨みつけた。まるで、それは生と死を繋ぐ絆であるかのように。

時間は凝固したかのようで、一秒一秒が焦燥に満ちていた。

もう諦めかけようとしたその時、浮きが突然激しく揺れ動いた。

俺の心臓もそれに伴い激しく高鳴り、かつてないほどの力が釣り糸の向こうから伝わってくる。

俺は歯を食いしばり、全身全霊の力でこの...

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