第506章

アルと原始人エリート三〇〇人は、互いに顔を見合わせたまま誰ひとり口を開こうとしなかった。怒りを押し殺した色が、全員の表情にわずかに浮かんでいる。

そこでようやく気づく。今目の前にいるこの三〇〇人の原始人エリートとアルは、伊藤陸斗が師匠を狙って行った大虐殺の中、生き残った者たちだ。伊藤陸斗の名を出されれば、怒りと同時に恐怖も呼び覚まされる。もはや彼の存在は、彼らの間で触れてはならない禁忌になっているのだ。

「……やっぱ、あとであいつから直接もらうことにするわ。それよりアル、おれがさっき教えた通りに、この三〇〇人の原始人戦士を率いて一回通しで演習してこい」

命じると、アルは即座に地面へ膝を...

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