第68章

糞の先を見ると、いくつかの狼の足跡が目に入った。

数日前に島に雨が降ったため土が柔らかく、狼の足跡ははっきりと見て取れた。

足跡の向きから判断すると、野生の狼たちは北の方角へ去っていったようだ。

俺は注意深く周囲の他の足跡を調べ、この狼の群れの規模が十二頭ほどの成獣からなるものだと推測した。

もし狼の群れに遭遇すれば、非常に危険なことになる。

できれば遭遇したくないものだ!

その時、三船亜由美が俺の緊張に気づいた。「何か見つかったの?」

俺は答えた。「さっき狼の群れが残した痕跡を観察したんだが、この群れの数は少なくない」

本田安奈と白崎由美子は花畑で忙しそうに花を摘んでいた。...

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