第699章 コントロール・クリスタルの起動

俺の声は大きくなかった。だが、ざわめく議論の渦をすり抜け、妙に鋭い穿透力だけで会議室の中心へ届く。

「大平家当主、牧野家当主、ならびに諸代表。俺の資格を疑う、羊皮紙の真偽を疑う――それは当然だ。俺があんたらの席に座ってて、突然『救世主』だなんて名乗るやつが現れたら、同じように警戒する」

いったん息を置く。次の瞬間、声の温度だけが落ちた。拒む余地のない切迫が滲む。

「だが一点だけ聞く。新世界連盟がマリアナ海溝で増大させてるエネルギー反応は、偽物か? 安田真紀が示したリアルタイム地図――あの点滅する赤点は、幻か? ホームカミングの脅威は、小出洋人総理事がでっち上げた嘘か?」

三つの問いが...

ログインして続きを読む