第700章 エーテルの血

安田真紀の頬が俺の首筋に埋もれる。荒い、熱を帯びた息が肌を撫で――気づかないほどの震えを、わずかに混ぜていた。

「海老原和生……必ず、戻ってきて……!」

くぐもった声。強い鼻声。ひとつひとつの言葉が涙に浸っているのに、不思議なくらい芯が折れていない。

「ここで待ってる! どれだけ時間がかかっても、どんな……結果でも!」

短い抱擁だった。なのに重い。魂のすべてを質に入れるみたいな、決断の重さ。

薄い衣越しに、真紀の心臓が激しく打ちつけてくる。俺の鼓動と、ほとんど同じ速さで。

俺は強く抱き返した。骨の中まで揉み込んでしまいそうな力で、言葉にしない約束と、安心を押し込む。

「待ってろ...

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