第720章 災厄からの生還

「――いい!」

残りの力を絞り尽くし、精神の奥底でそう叫んだ。

もう何も惜しまない。おれの精神力のすべてを、神族の血に刻まれた不屈の意志ごと、燃え盛る金の奔流へと変えて――瑠璃の意識へ、そして砕けかけた長刀へ、容赦なく流し込む。

瑠璃は、まるで命の火が一瞬だけ逆流したみたいに、澄みきった長い咆哮を放った。

両手で柄を握り締める。最後に残った浄炎の力と、おれと彼女の生命の火を、刀身の先――一点へ。

「聖山の心よ、我らを導け。世界を浄めるために!」

「浄炎の息吹」が、己の生の中で最も眩しく、そして最も悲壮な輝きを爆ぜさせた。

それはもはや炎じゃない。極限まで純化された白金の光柱――...

ログインして続きを読む