第4章

絵里視点

「悟!」

思わずスプーンを落としそうになり、私は息を呑んだ。

「何してるの? 休んでなきゃだめでしょ」

「寂しくなっちゃって」

彼は私の首筋に顔をうずめ、つぶやく。背中に彼の胸がぴったりと押し付けられる。

「それに、めまいがしたから、何か安定したものに捕まりたくて」

『これじゃ全然安定しない。むしろ逆効果だ』

彼の体はすごく温かくて、その息遣い一つ一つが伝わってくる。腰に回された腕に力がこもり、私は彼の体に溶けてしまいそうになっていることに気づいた。

「悟、病人なんだから」

なんとか声を絞り出すけれど、自分でも息が上がっているのがわかる。

「ちゃんと横...

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