第136章 お嬢様、風見家で事件が起きた

林田青真は顔を上げた。

江島結奈が、ファイルを一つ、彼の前へすっと押し出す。

「警察に行って」

林田青真は一瞬きょとんとしてから、ファイルを手に取り、開いた。

中身は資料一式――林田大志の写真、賭博の借金の記録、債権者とのやり取り、そして……例の闇カジノの背景。

「風見家のシノギよ」江島結奈は言った。「あなたのお父さんは、その闇カジノの人間に殺された。警察に届け出なさい。闇カジノに殺されたって」

林田青真の指先が、わずかに強張る。

風見家。

知っている。風見雪音の実家で、御堂家とも繋がりが深い。北嶺市じゃ頂点ではないにせよ、面倒を起こしたくない類の家だ。

「江島さん、風見家...

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