第152章 USBメモリ

御堂柏木は一秒だけ沈黙した。

「さあな」そう言って、薄く笑う。「だが……すぐ分かる」

御堂斗真は扉を開け、廊下へ出た。

背後で、扉が静かに閉まる。

彼は廊下に立ち尽くし、窓の外の夜を、いつまでも見ていた。

頬に残る平手打ちの跡が、じんわり疼く。

けれど胸の中は、それ以上にぐちゃぐちゃだった。

江島結奈。

自分が、江島結奈と結婚する?

あの女が――進んで自分に嫁ぐだろうか。

斗真の脳裏に、彼女の視線が蘇る。冷たく、淡く、まるで取るに足らない他人を見るような目。

――嫌がるに決まっている。

だが、御堂柏木が決めたことだ。彼女が望むかどうかなど、関係があるはずもない。

御...

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