第157章 彼女は彼を気にしている

母が横から畳みかけるように言った。

「しっかり掴みなさいよ! お母さん、ちゃんと調べたんだから。風見さんは前にちょっと……ちょっと噂があったみたいだけど、そんなの些細なことよ。女の子なんて、綺麗で家柄が良ければ多少わがままでも普通でしょ。あの子をお嫁にできたら、永橋家はこれで盤石なんだから!」

正彦は、その言葉を聞き流すように黙っていた。

――何を言えばいい?

嫌だと言うのか。風見雪音に何の気持ちもない、と。

彼女の噂なら耳に入っている。『少し気が強い』なんて生易しいものじゃない、と。

けれど、言ったところで無駄だ。

両親は聞かない。

彼らの目には、風見家は格好の獲物にしか映っ...

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