第27章

古崎拓人は、陸原吉弘から向けられる濃い敵意を肌で感じ取った。

だが、相手をする気はまるでない。拓人は顔を背け、安田歌子へと視線を移す。

「歌子。まだ時間あるしさ、飯のあと農場をぶらっとしない? 自然でも満喫しようぜ」

「いいね」歌子はうなずく。「暗くなったら星も見られるし」

散歩、星空……。

陸原吉弘は眉をひそめた。これって、デートってやつか?

胸の奥で危機感がじわじわ膨らんでいく。そんなところへ、沈村遥が台所から出てきた。

「吉弘さん、ご飯にしましょう?」

そこでようやく、陸原吉弘は古崎拓人と張り合うのをやめることにした。

テーブルと椅子はすでに並べられている。沈村遥が立...

ログインして続きを読む