第34章

沈村遥は陸原吉弘がこちらへ来るのを見るなり、まるで救世主でも見つけたみたいにぱっと表情を崩した。目尻が赤くなって、ちょこちょこと小走りで駆け寄る。

そしてごく自然に陸原吉弘の腕にしがみつき、震える声で訴えた。

「吉弘さん。あの……オーナーさんが朝ごはんをごちそうしてくれるって言ったんです。でも食べ終わった途端、急にお金を払えって……。ちゃんと話そうとしたのに、厚かましいって怒鳴られて……!」

陸原吉弘は眉をひそめ、オーナーのほうへ歩み寄る。

「オーナー。それはさすがに筋が通らないですよ。約束したことを、あとから変えるなんて」

オーナーは目を見開いた。ここまで平然と話をひっくり返す人...

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