第41章

陸原吉弘は、そう簡単に頭を下げる男じゃない。ずっと自分はこう思っていた。安田歌子が自分と一緒にいることで、得をするのは彼女のほうだ、と。

仕事の面では助言できる。人生の選択でも、先の道筋を示してやれる。もし彼女が間違った方向へ行きそうなら、早めに止めて、正してやれる……。

自分のほうが経験も能力も上。恋愛関係においても、自然と全体を握る「主役」を引き受ける。安田歌子は大人しくついてくれば、いい暮らしが手に入る。

ところが、安田歌子が別れを口にしてから、歯車が狂い始めた。

彼女がいなくなった途端、いろんなことが上手くいかない。しかも、安田歌子には、彼がこれまで見たこともない力がいくつも...

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