第51章

沈村遥は気が進まなかった。けれど、みんなが行くのに自分だけ行かなければ――

それこそ同情心がないみたいに見える。

結局、彼女も渋々ついていくしかなかった。

マスクと手袋を着け、最低限の防護だけ整えると、一同は羊舎へ向かった。

羊舎に着くと、安田歌子は手早く状況を確認し、すぐに作業を割り振る。

「拓人と夢子は、健康な羊と病気の羊を分けて。感染源を抑えて」

「はい!」

「恭平は羊舎全体を封鎖。群れを外に出さない、それから外部の人間も勝手に出入りさせないで」

「了解!」

「沈村景たちの班は、病羊の症状を記録して。嘔吐の間隔、餌の食い具合とか」

沈村景と陸原吉弘、鈴野晴美はそろっ...

ログインして続きを読む