第53章

番組スタッフも、流れてくるコメントを眺めながら内心では不安を拭えなかった。

だが、安田歌子は異様なほど落ち着いていた。メンバーたちと一緒に水を替え、足し、無言のまま噛み合うように手を動かす。そこに迷いはない。

空が白みはじめるころ、羊たちはようやく嘔吐と下痢を止めた。

それどころか……さっきまでぐったりしていた羊が何頭も、力を取り戻したように餌を奪い合いはじめる。

立つことすらおぼつかなかった連中が、いまや飯を取り合っているのだ。

小村は羊舎で何日も走り回り、ろくに目も閉じられていなかった。昨日など限界で、羊舎の外の地面に座り込み、壁にもたれたまま眠り込んでしまったほどだ。

もう...

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