第186章 三上家に問題あり

佐藤愛は自らの耳をそばだて、扉にぴたりと顔を押し付けて、じっと外の気配を窺っていた。

北村辰の部屋から、不機嫌そうな低い声が漏れ聞こえてくる。

「誰だ?」

佐藤愛にはすぐに分かった。それは間違いなく北村辰の声だ。

「北村社長、お茶をお持ちしましたわ」

ねっとりとした甘い女の声だ。

しかも聞き覚えがない。三上家のどの女性とも違う声だった。

佐藤愛はつま先立ちになり、ドアスコープから廊下を覗き見る。

そこには、露出度の高い服を身にまとい、モデルのように背が高く、美貌とスタイルを兼ね備えた女が立っていた。手には盆に載せた茶器を持っている。

分厚い扉越しでさえ、むせ返るような安っぽ...

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