第198章 奴を殴る

「相手の策を逆手に取る、ですって?」

 平沢寧々は、佐藤愛の言葉を信じられないといった様子で繰り返した。

 佐藤愛はフフッと鼻で笑う。

「当たり前でしょう。私なんて三歳の頃から、お祖父ちゃんの商談の席に同席していたのよ」

「長年、あらゆる人間を見てきたの。ネットから突然湧いて出たような桜島社長なんて怪しい男が、会社と取引したいだなんて言ってきたら、警戒しないわけがないじゃない」

「郊外だの、ホテルだの、注がれた酒だの、豪勢な料理だの……。本気で私を馬鹿だと思ってた?」

「機嫌が良かったから、この桜島社長とやらの『お遊び』に付き合ってあげて、ついでに黒幕を炙り出してやろうと思っただ...

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