第283章 実に仲睦まじそう

 北村辰の車が敷地に入ってくるのを見て、佐藤愛は大きく手を振った。

 北村辰がウィンドウを下ろすと、そこには愛おしそうに彼女を見つめる笑顔があった。

 愛は遊び心がうずいたのか、辰に向かって腰をくねらせるダンスを少しだけ披露する。それから、あざとかわいく両手を頭の上に掲げ、辰に向かって大きなハートマークを作ってみせた。

 北村辰の笑みが、さらに深くなる。

 彼が望んでいた生活とは、まさにこれだった。彼女が無邪気にはしゃぎ、それを自分が微笑んで見守る日々。

 車を停めると、愛が近寄ってきた。北村辰は二の句も告げず、手を伸ばして愛の腰を抱き寄せ、そのまま軽々と持ち上げた。

 今朝と同...

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