第325章 山田真里の収賄

「ねえ、愛。北村社長が運転手なんて、これ本当に商談に行くの? なんだか見安デパートを買収しに行くみたいじゃない?」

 川原裕子は並んで座る佐藤愛に耳打ちした。

 ハンドルを握る北村辰の佇まいは、洗練されているという言葉では足りないほどだ。全身から滲み出る気品は、一目見ただけで彼が只者ではないことを感じさせた。

「彼がどうしても行くって聞かないんだから、仕方ないでしょ。ついて来させておけばいいわ。万が一商談がダメでも、何か知恵を貸してくれるかもしれないし」

 佐藤愛は声を潜めて答える。

 川原裕子は頷き、さらに声を落として続けた。

「まったく……北村社長もどんどん自信をなくしてるみ...

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